前回の「川がつくる地盤」
前々回の「圧密沈下と粘土地盤」
に出てきた土の名前は、「小石(礫・レキ)」「砂」「粘土」「シルト」です。
では具体的に、これらの土の種類の分類の仕方とその性質について考えていきたいと思います。
「川がつくる地盤」
でも少し触れましたが、土は、土を形成している一つ一つの土の粒(土粒子)の大きさによって区分することができます。
土粒子の大きさによる区分
粘土…粒径0.005mm以下の粒子
シルト…粒径0.074~0.005mmの粒子
砂…粒径2mm~0.074mmの粒子
レキ(礫)…粒径2mm以上の粒子
また、土を形成する土粒子の大きさによって土の良し悪しを表現することもあり、レキ、砂など、形成する土粒子の粒径範囲が広い土のことは、「粒度が良い」と言われます。土粒子の粒径範囲が広い土は、密で安定な構造をつくりやすいからです。
逆に粘土、シルトなどの土粒子の粒径範囲が狭い土は、密実に詰まりにくく不安定な状態にあるため「粒度が悪い」と呼ばれます。
では、それぞれの土にはどのような特性があるのでしょうか。
レキ・砂(粗粒土)/砂地盤
1透水性が高い
水はけがいい土です。
水を含んでいても排水が早いため、若干の時間遅れはあるものの、圧縮はほぼ即時的に進行します。(=レキ、砂の地盤では即時沈下のみで、圧密沈下はほとんど起こらない)
2堆積すると、自然堤防や扇状地をつくる
3一般的には良好地盤。しかし液状化と掘削工事には問題がある。
粘土・シルト(粘性土・細粒土)/粘土地盤
1透水性が低い
水はけがわるく、いったん水を含むと抜けにくく強度が低下するため、地盤改良の必要性があります。
飽和状態にある透水性の低い粘土やシルトは、外部から圧力を受けてもすぐに圧縮せず、長い時間をかけて圧縮されます。(=粘土やシルトの地盤では圧密沈下が起こりやすい)
2褐色のものが多い
3粘り気があり、ざらざら感はない
4川の流れの遅いところに堆積
5堆積すると後背湿地をつくる。
圧密沈下や後背湿地、自然堤防については、前回の「圧密沈下と粘土地盤」
前々回の「川がつくる地盤」
も参照してください。
引用・参考文献
直井正之著『住宅をつくるための「住宅基礎の地盤」がわかる本』 建築技術 2002年
監修/藤井 衛 企画・編集/若命 善推・高田 徹『DVDを見てわかる住宅の基礎と地盤 ザ・ソイルⅢ』 建築技術 2006年
共著/藤井 衛・若命 善推・田村 昌仁・伊集院 博『ザ・ソイルⅡー住宅の基礎性能と地盤補強』 建築技術 2002年
株式会社ワイズ技研について
ワイズ技研は、関東エリア一円を対象に施工を行っている地盤改良業者です。創業から30年、安心をお届けできるよう丁寧な施工を重ね、おかげさまで施工実績は10000件以上にも及んでいます。創業以来、当社設計・施工の建物は施工の瑕疵による不同沈下事故ゼロを継続中です。
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